取引先との問題
取引先との間では、通常、「商品やサービスの提供」とそれに対する「代金の支払い」が行われます。
「商品やサービスの提供」も「代金の支払い」も、それを行う者にとっては「債務」であり、相手方から見ると「債権」ということになります。
これらの事項は、いずれも、取引先と取引を開始するにあたり、きちんとした「取引基本契約」を締結し、その中で取り決めをしておくことにより、いざという時の備えとしては万全となります。
また、「取引基本契約」には、取引開始時に一度締結すれば、日々の取引(「個別契約」)において、その都度細かく取り決めをする必要もなく、ビジネスに専念できるというメリットもあります。
取引基本契約書に記載すべき内容は、取引の内容・取引の相手方の事情等により異なります。必要にして充分な取引基本契約書を作成するには、専門家に相談されることをお勧めします。
「商品やサービスの提供」も「代金の支払い」も、それを行う者にとっては「債務」であり、相手方から見ると「債権」ということになります。
取引基本契約書の重要性
取引先が約束した「債務の履行」を行わない場合が、取引先との最大のトラブルです。
例えば、取引先が約束した「代金の支払い」を行わない場合、通常、問題となる事項としては
例えば、取引先が約束した「代金の支払い」を行わない場合、通常、問題となる事項としては
- とりあえずこちらも商品やサービスの提供の拒否をしたいが、それはこちらの債務不履行にならないか
- 速やかに契約を解除したいが、すぐに解除できるか
- 債務を履行しない場合に備えて「担保」を取っておきたいが、それは出来るか
- 保証人を立てておきたいが、それは可能か
- こちらに損害が発生したので損害賠償を求めたいが、どの範囲の損害について賠償を求めることができるか
これらの事項は、いずれも、取引先と取引を開始するにあたり、きちんとした「取引基本契約」を締結し、その中で取り決めをしておくことにより、いざという時の備えとしては万全となります。
また、「取引基本契約」には、取引開始時に一度締結すれば、日々の取引(「個別契約」)において、その都度細かく取り決めをする必要もなく、ビジネスに専念できるというメリットもあります。
取引基本契約書に記載すべき内容は、取引の内容・取引の相手方の事情等により異なります。必要にして充分な取引基本契約書を作成するには、専門家に相談されることをお勧めします。
お金(債権回収)の問題

- (1)担保権を実行する方法
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取引基本契約等において
、担保(抵当権・質権・譲渡担保)を取得している場合は、その担保権を実行することが最も簡便で確実です。しかし、担保権の実行には裁判所での手続を要する場合もあります。
このほか、取引先との約定は無くとも、法律上の担保権(先取特権等)が生じる場合もあり、この場合も裁判所での手続により回収を図ることになります。
いずれにせよ、専門家のサポートを得ることをお薦めします。
- (2)担保は取っていないが、保証人がいる場合の方法
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担保は取っていなくても、取引基本契約に付帯して保証人との間で保証契約を締結する場合があります。
その場合、取引先に債務不履行がある場合、保証人に対し、債務不履行の事実を通知し、保証人による債務の履行を請求することになります
但し、保証人が任意に履行しない場合には、保証人に対する訴訟提起が必要になります。
- (3)担保・保証はないが、取引先の資産が判っている場合の方法
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まずは、取引先の資産を「仮差押え」します。
仮差押えとは、金銭債権の執行を保全するために、債務者の財産の処分に一定の制約を加える裁判所の決定をいいます。
「仮差押え」をすると、事実上の効力として、取引先が「仮差押え」から解放されるために、任意で支払いを行う可能性もあります。
但し、債権額の2~3割程度の保証金を供託する必要があるので、保証金を用意できない場合には利用をすることが出来ません。また、取引先が任意で支払わない場合には、「仮差押え」の後、訴訟を提起することになります。
- (4) 担保・保証がなく、取引先の資産も判らない場合の方法
- この場合は、訴訟を提起して判決を得るか、訴訟上の和解により支払いを確保するしか方法がありません。
そして、判決や訴訟上の和解をしても支払ってもらえない場合は、相手方の財産に対して強制執行(債権執行・不動産競売・動産執行)をして債権回収をすることになりますが、取引先の資産も判らない状況では、判決等が「画に描いた餅」に終わる虞が高くなります。
以上、債権回収の方法を概観すると、
また、債権回収を考える際には、「消滅時効」も意識することが必要です。「消滅時効」にかかると、債権が発生してから一定期間が経過すると、回収することができなくなりますので、債権回収は常に迅速に行うことが重要です。
- 取引先の財産を把握しておくこと
- あらかじめ取引基本契約等において、担保・保証を取得しておくこと
また、債権回収を考える際には、「消滅時効」も意識することが必要です。「消滅時効」にかかると、債権が発生してから一定期間が経過すると、回収することができなくなりますので、債権回収は常に迅速に行うことが重要です。
モノの問題(瑕疵担保責任・製造物責任)
- (1)瑕疵担保責任
- 取引先から供給された商品に何らかの「不備」「不具合」があった場合、何ができるでしょうか? これが「瑕疵担保責任」の問題です。
「瑕疵」とは、「「当該商品が通常備えているべき品質」または「当事者間で約束した商品の品質」を備えていないこと」を言います。
「瑕疵担保責任」についても、取引基本契約書できちんと取り決めをしておくことをお薦めしますが、契約に記載がない場合でも、民法・商法上の「瑕疵担保責任」を追及できます。
- (2)製造物責任
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会社間の売買に関する契約では、製造物責任法(PL法)を意識した規定が設けられることがしばしばあります。
製造物責任法とは、欠陥製品によって生命や身体に損害を被った被害者(消費者、ユーザー)の被害を救済するための法律で、購入した製品に欠陥があったことが証明できれば、消費者から製造業者等に直接責任を追及できることを定めた法律です。
しかし、会社とその取引先との関係で問題となるのは、通常、最終消費者(ユーザー)が被害者となった場合、当該商品について、企業間の責任分担をどうするかという点になります。
製造業者ではなく、商流の中間にある会社の場合、取引基本契約書では、- クレームを受けた小売業者が被害者に賠償した場合にも、最終的には製造業者がすべての賠償を負うという規定を設ける
- 損害拡大防止のために、リコールその他必要な措置を取ることを約束させる
- 製造物責任保険(PL保険)への加入を義務付ける
又、自らが製造業者の場合は、取引基本契約書がない、又は取引基本契約書はあるが「製造物責任」に関する取り決めがない場合でも、製造業者としては、最終的には自分が責任を取ることを前提とした様々な措置を採っておくことが必要です。
知的財産の保護の問題
商品や代金の問題と比べ、通常、意識されることは少ないものの、企業の財産として保護することが重要なものに「知的財産」があります。
特に、供給される商品がコンピュータソフトウェア等であるとき、また、商品ではなく、一定のサービス提供の取引であるときは注意が必要です。
主要な「知的財産」には以下のものがあります。
知的財産権は、商品やサービスに言わば「付着」した形で存在するもので、商品の「所有権」等とは別個の財産権です。特に、供給される商品がコンピュータソフトウェア等であるとき、また、商品ではなく、一定のサービス提供の取引であるときは注意が必要です。
主要な「知的財産」には以下のものがあります。
- (1)特許権
- 技術的に高度で新規性のある「発明」について登録を受ける権利で、通常は商品に組み込まれるものですが、ビジネスモデルなどについても特許権の取得は可能です。開発した人間の労力や費用に報いるため設けられた制度です。
- (2)商標権
- 「自分の仕事に関する商品やサービスに使用するマーク」の登録を受ける権利。消費者による商品・サービスのマークの認知度が高い場合、他人にその知名度に「ただ乗り」されることを防止するためのものです。
- (3)意匠権
- 高度で新規性のある「商品のデザイン」について登録を受ける権利です。
- (4)著作権
- 特許権・商標権・意匠権とは異なり、アイディアではなく、「創作性のある表現」について発生する権利で、これは、「創作」の事実によって発生し、登録を受ける必要はありません。
- (5)営業秘密
- 秘密として管理され、公知ではない有用な営業上・技術上の秘密情報を言います。不正競争防止法によって保護されています。
例えば、商品・サービスを取引先に提供するとき、取引先から商品・サービスの提供を受けるとき、問題となる「知的財産権」が存在する場合には、必要に応じ、取引基本契約書等において、当該「知的財産権」についてのライセンスを受けたり、ライセンスを与えたりすることによって、当該「知的財産権」が誰に帰属するのか、又取引によって誰に対しどの範囲までの利用が許されているのかを明らかにしておくことが重要です。